6つの専門領域の授業紹介
造形芸術系コースでは領域ごとに専門的な授業が豊富に揃っています。それぞれの学生の興味や探究心を引き出し、
社会に出てから役立つ力を身につけるための授業です。ここでは領域ごとの授業をいくつかピックアップし紹介します。
造形芸術教育学/授業紹介
- 芸術教育教材・構成論/造形芸術教育学
- 中学校及び高等学校の美術授業において取り上げられるさまざまな教材について理解し、その構成がどうあるべきか検討していきます。具体的には、中高美術科の内容や美術カリキュラムの構造、造形表現の変容などを学ぶほか、美術教科書の分析を行い、授業のねらいや題材内容等について理解していきます。また、美術科授業の指導計画を作成し、それをもとに模擬授業を行い、題材や実践方法について理解を深めていきます。(写真は、学生による模擬授業の様子です。)
- 美術科授業プランニング演習/造形芸術教育学
- 教育実習を前にして、美術の力で子どもたちをよりよく変化させる授業設計の基礎を学びます。授業はどのようにつくっていくのがよいのか、何に気をつけて授業設計すればよいのか、どのように環境を整備したら子どもたちのアートスイッチが自然と入って子どもたちが自ら動き出すようになるのか・・・現在と近未来の時代に求められる力を子どもたちにつけるよりよい美術科授業づくりの課題は山積です。それを学生が自ら発見し一つ一つクリアしていく楽しみがいっぱいつまっています。もちろん、授業設計を明確にするための学習指導案作成の基礎も学びます。
絵画/授業紹介
- 絵画表現演習/絵画
- 基礎的な絵画作品制作を通して、造形要素、表現技法、表現素材等、様々な絵画に関わる諸要素を学んでいきます。また更に、その作品の制作プロセスを検証しプレゼンテーションを行うことで、自己や他者の作品制作を客観的に見つめ、様々な角度から検証し研究を進めて行きます。
- 「卒業論文」(卒業制作)/絵画
- 絵画領域での卒業論文は、絵画に関する理論的研究(論文)と共に、100号2点以上の作品制作を行います。作品制作は、自己の作品テーマに基づいた表現技法や表現素材を自由に用いて、より具体的な自己表現へと深化させて行きます。
彫刻/授業紹介
- 彫刻教育素材実習/彫刻
- 今日に見られる様々な立体表現の中でも特に「素材」の問題に焦点をあてて行っています。木を彫ったり、石を削ったりといった様々な材料体験を通して、その素材の特質を味わうとともに、イメージを具体的な形にしていく方法を学びます。課題としては、1つの素材で具象的な作品、もう1つの素材で抽象的な作品、と異なる2つの方向性の表現を追求することで、表現の幅を持たせています。また実際の教育現場についても知り、効果的な教材開発についても考察します。
- 彫刻表現総合演習/彫刻
- 人物モデルを使って、塑造作品を制作します。授業の中では、“人体の美しさとは何か”ということについて考えながら、デッサンや、彫塑用粘土による塑造制作を行います。この学習を通して、マッス、ヴォリューム、プロポーション等といった彫刻表現に関わる造形要素の理解を深めるとともに、制作における実践的なスキルを身につけていきます。また中・高等学校における彫刻学習の内容や方法について知り、彫刻指導者としての資質を養うことも目的としています。
デザイン/授業紹介
- 立体デザイン教育演習/デザイン
- プロダクトデザインの基礎を学びます。美しい形をつくることと、製品として求められる機能や条件との折り合いをつけるという、デザインの基礎的な制作過程を学んでいきます。商品企画会議を模したプレゼンテーションを行いながら、その中で美術との違いを理解していきます。
- CG基礎演習/デザイン
- コンピューターで扱うグラフィックスについて、基本的な概念と特徴、扱い方について学びます。デザイン業界で標準的に使用されているアプリケーションの使い方についても学習します。次年度に開講される平面デザイン教育演習のための基礎的な技能を習得するための科目です。
工芸/授業紹介
- 工芸教育素材研究Ⅰ/工芸
- 工芸制作において、素材の特性について研究することは、工芸にとって大切な「素材や技術を基にした表現」を達成するために欠かすことはできません。本授業では工芸領域の中でも、陶芸と染織を研究課題として扱います。陶芸用粘土や毛糸といった素材を実際に使って、アイデアと素材、技術と結び付けた作品制作をおこない、柔軟な工芸的感性を養います。合わせて、中・高等学校の美術科教員や指導者に必要とされる工芸の基礎的知識や技能を習得します。
- 卒業研究基礎制作Ⅱ/工芸
- 現代社会における価値観や自己を取り巻く生活を多様な視点に立って考え、これまでの授業で修得した知識や技能をより発展させて工芸制作をおこないます。真に人々の暮らしを高め、生活をふくらます機能を持った「もの」づくりを意識し、独自な創意にもとづく美的で心豊かな制作の構想を練ります。そして、工芸の専門的な技能の上に立った表現方法を検討し、工芸素材の特質、表現の多様性を生かした創造的な作品制作を追求します。
造形芸術学/授業紹介
- 造形芸術基礎論/造形芸術学
- 教育の場面で展開される造形芸術を理解するために、美や芸術の概念、本質、原理そして実践について、様々な言説やその歴史を学びます。それらを通して私たちが自ら考え、実践していく力量の基礎を養うことを目標としています。
- 日本美術史概説/造形芸術学
- 古代から近世に至る日本美術の歴史を、代表的な表現分野をとおして学びます。さらに、造形表現の背景となる様々な生活、歴史的・社会的理念と美術との連関、あるいは外国美術との関係などに留意して、日本美術の特質が理解できるようになることを目標としています。